「異次元の少子化対策」のたたき台を、2023年3月31日に小倉こども政策担当大臣が発表しました。
2030年までの約7年間を、少子化対策のラストチャンスと位置付けており、まず今後3年間に集中して取り組む政策を「こども・子育て支援加速化プラン」として掲げました。
「こども・子育て支援加速化プラン」の具体的な政策
今後3年間に取り組む課題として、以下の具体案を発表しています。
これらの案は全て実施が決定しているわけではなく、実現に向けた予算の見積もりや財源の確保などの実現性を踏まえ、6月に策定する「骨太の方針」までに結論を出すとのことです。
児童手当について
所得制限撤廃
現在、年収によって減額や不支給としている所得制限を撤廃するとしています。
給付期間延長
中学校卒業までから、高校卒業まで給付期間を延長するとしています。
多子世帯への加算額増額
子供が3人以上いる多子世帯への加算額を増額するとしています。
出産費用について
保険適用も含め支援を検討するとしています。
子どもの医療費について
自治体への補助金を減らしている措置を取りやめるとしています。
給食費について
無償化に向け課題を整理するとしています。
奨学金について
給付型奨学金の対象拡大
低所得世帯向けの給付型奨学金の対象を、現在の世帯年収380万以下から、多子世帯や理工農系は680万以下まで拡大するとしています。
貸与型奨学金の減額返還制度の対象拡大
年収325万以下となっている条件を緩和するとしています。
授業料について
在学中は支払いを行わず、卒業後に授業料を支払う後払い制度 (授業料後払い制度 (仮称)) を、2024年度から修士課程の大学院生を対象に先行導入し、拡充を図るとしています。
住宅支援について
公営住宅への優先入居
子育て世帯が公営住宅に優先して入居できるようにするとしています。
ローン金利の優遇
フラット35を利用した際のローン金利を優遇するとしています。
保育士について
1歳児、4-5歳児の配置基準を見直し、1歳児については現在の保育士1人あたり子供6人から、保育士1人あたり5人へ変更、
4-5歳児については現在の保育士1人あたり30人から、保育士1人あたり25人へ変更するとしています。
保育所について
利用要件を緩和し、親が就労していない場合でも時間単位などで預けられる「こども誰でも通園制度」の創設を検討するとしています。
育児休業・時短勤務について
育休手当を増額
産後の一定期間内に両親共に育休 (産後パパ育休含む) を取得した場合に、最大4週間は給付額を引き上げ手取り収入が減らないようにするとしています。
育休を取得しやすい環境作り
育休を取得した人の業務をカバーする人に手当を支給したり、代替要員を新たに雇った事業主への助成制度を大幅に強化するとしています。
育休手当支給対象の拡大
非正規雇用でも育休手当が受けられるよう雇用保険の適用拡大に向けて検討するとしています。
育休制度が無い人の国民健康保険料免除
育休制度が無い自営業やフリーランスの人に向け、育児期間中の国民年金保険料を免除する制度を検討するとしています。
時短勤務で手取りが減らないように
子供が2歳になるまでの間、時短勤務をした場合でも手取り収入が変わらないようにする給付制度を創設するとしています。
こどもファスト・トラックについて
国立博物館などの国の施設を対象に、子連れが並ばなくても優先的に入場できる「こどもファスト・トラック」制度を設け、他の公共施設や民間施設にも広げていくとしています。
財源は
今回発表された「たたき台」には財源の明記はされておらず、これからの検討となります。
社会保険料を引き上げ、公的医療保険の月額保険料に上乗せする案が有力とのことです。
まとめ
少子化の解消に向け、様々な政策が検討されています。
すぐにでも実現して欲しい政策も多いので、今後の動きに注目したいと思います。
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